子宮内膜症と排卵痛の関係
排卵のときに起こる排卵痛は、女性特有の生理現象ですが、あまりにもひどい場合は病気が隠れている場合もあります。
例えば、子宮内膜症は代表的な婦人系疾患のひとつで、排卵痛と関係しています。おなかの辺りで起こる痛みは子宮や卵巣以外の病気もあるため気付きにくいものですが、子宮内膜症などが隠れている場合は不妊の原因になることもあるようです。
そこで今回は、子宮内膜症と排卵痛の関係について解説していきます。
排卵痛とは
排卵痛とは、排卵日または排卵日の前後1~2日間に起こる症状のことです。腹痛や下腹部の痛み、出血などがみられることがあります。
排卵痛が起こるのは、卵子が排出される際に卵胞が破れて卵胞液と血液が体内に流れ、腹膜を刺激するからです。
排卵痛が起こる時期は、卵巣が少し腫れている状態でお腹の張りや子宮のあたりに痛みを感じる場合もあるようです。中には、生理痛よりも排卵痛がつらいと感じる人もいます。痛み以外にもだるさや頭痛、肩こりやおりものの変化なども挙げられます。
排卵痛が起こるタイミング
排卵痛が起こるタイミングは主に3つ。「排卵前」「排卵日」「排卵後」です。
排卵前は卵胞の成熟により卵巣が腫れて下腹部全体にチクチクした痛みがあります。排卵日は、排卵のために分泌されるエストロゲンの影響や卵胞が破けることで下腹部全体の張りと痛みが起こります。排卵後は排卵時に卵巣の表面に小さな傷がついたことで下腹部の不快感と少量の出血などがみられるようです。
とはいえ、毎月同じ時期に排卵痛が起こるわけではありません。左右の卵巣から交互に排卵されるので、片方の卵巣のときだけ排卵痛がある人もいるようです。
排卵出血とは
排卵出血は、排卵日の前後2~3日に起こる少量の出血のことです。
卵胞が破れたときに血液が流れ、出血がみられる場合があります。不正出血とは違うので、健康な人でもみられる症状です。
排卵出血も排卵痛と同様に個人差があり、症状の有無が異なります。
排卵痛と生理痛の違い
排卵痛と生理痛は似ているようで違います。排卵痛が起こる時期は、生理周期が28日で安定している場合、生理予定日の14日前あたりにみられます。つまり、生理と生理の間に起こるのが排卵痛です。
最低で1日、長くても3日ほどで和らぎます。排卵痛の痛みに気づかない人もいれば、かなり痛みを感じる人もいるように、個人差がある症状です。
排卵痛がひどい…これって病気?
排卵のときに起こる排卵痛は、痛みの程度に個人差はありますが、女性ならば自然な現象です。
しかし、あまりにも痛みがひどい場合は、卵巣が腫れている可能性があります。卵巣が腫れる病気はいくつかありますが、そのうちのひとつに子宮内膜症があります。
子宮内膜症とは、子宮内膜の組織が子宮内膜以外の場所にできてしまう病気のことです。子宮内膜が卵巣のなかで増殖して血液がたまったりすると「チョコレートのう胞」と呼ばれるものになります。
これは卵巣が腫れる原因となり、卵巣が腫れることによって排卵期の排卵痛がひどくなったり、生理や性交時に痛みがひどくなったりします。また、子宮以外の臓器で子宮内膜が増殖すると臓器と臓器の癒着を引き起こすことがあり、それも排卵痛の原因になることがあります。
子宮内膜症チェック
子宮内膜症の症状をチェックしてみましょう。以下の症状が見られる場合、子宮内膜症の疑いがあります。
- 月経のとき以外にも下腹部に痛みがある
- 経血量が多い
- 経血にレバー状の血が混ざっている
- 排便痛がある
- 生理前後1週間おなかが張る
- 生理痛がだんだん強くなっている
あてはまるものが多いときは、婦人科へ行くことをオススメします。子宮内膜症以外の病気が隠れている場合もあるため、痛みがある場合は我慢せず、すぐに病院へ行きましょう。
治療法は?
子宮内膜症の治療として、低用量ピルの服用や漢方薬の服用があります。低用量ピルは排卵を止めるものなので、子宮内膜症の発症率が下がるといわれています。
ただ、妊活中の人はピルを使えないため、漢方などで体質改善を試みることが多いようです。あまりひどくない場合は鎮痛剤を服用して様子観察になります。
婦人系疾患の中でも代表的な子宮内膜症ですが、放置していると痛みがひどくなったり不妊の原因になったりするため早期の治療が必要です。定期的に病院へ行って診てもらったり、自分の体調や生理時の体のサインを見逃さないようにしたりすることで早めの発見を期待できます。
排卵痛が気になるときの対策
排卵痛は病気のサインとなる場合もありますが、健康な人でも起こりうる症状のひとつです。特に、運動不足や筋力の低下、冷え性や睡眠不足、ストレス過多の人にみられるようです。排卵痛を少しでも和らげたいという人は、以下の方法を取り入れましょう。
体を温める
排卵痛対策として冷えから体を守ることが大切です。いつもシャワーだけで済ませている人は、湯船につかって体の芯から温まりましょう。
また、下半身を温めるために、靴下の着用や布ナプキンも活用できます。下着の上に布ナプキンをつけることで、下着のみの場合よりも寒さをガードできるでしょう。
おりものライナーなら、生理日以外でも使えるので気軽に試してみても良いかもしれません。お腹を温めることで排卵痛に対処しましょう。
生活習慣を見直す
食事・運動・睡眠は、生活リズムを整えるために意識したいポイントです。まずは、1日3食栄養バランスのよい食事を心がけましょう。一汁三菜(主食、主菜、副菜2品、汁物)を基本とし、和食中心に考えると栄養バランスが整いやすくなります。
ただし、「サラダだけ」「ごはん抜き」など極端な食事は栄養不足を招きやすくなるため、オススメできません。満遍なく栄養が摂れるよう一汁三菜を基本とし、献立を考えるようにしましょう。
生活リズムを整えるためには、ウォーキングなどの運動を定期的に取り入れることも有効です。
忙しくて運動できないという人は、「通勤時にひと駅分歩く」「エレベーターより階段を使う」など意識してみると良いでしょう。
夜更かしが日常的になっている人は、早めに就寝できるように生活習慣を見直すことが大切です。また、睡眠の質を改善するために、寝る1~2時間前に入浴を済ませておくようにしましょう。
就寝の3時間前までに夕食を済ませることも大事です。早寝早起きを意識して健康的な生活習慣を目指しましょう。
ストレスを溜め込まない
ストレスは自律神経にも影響を与えます。自律神経のバランスが崩れるとホルモンの分泌が低下するため、ストレスを溜めないようにしましょう。交感神経が優位になると血の巡りも悪くなるので、リラックスするよう努めてください。
とはいえ、リラックスするのが難しいという場合は、音楽を聴いたり、アロマなどの好みの香りをかいだり、瞑想を取り入れるのもオススメです。リラックスすることで副交感神経が優位になると血流も良くなり、排卵痛対策になります。
また、旅行や映画鑑賞などで趣味を充実させることもストレス解消になるので、自分にあった方法を試してみてください。
排卵痛と上手に付き合い妊活に活かす
温活や生活習慣の改善、ストレス回避などにより、排卵痛を和らげて上手に付き合うことが大切です。
排卵痛かどうか知るために、日頃から基礎体温をつけることもオススメです。基礎体温をつけることで、痛みが起こるタイミングと排卵日の関係がわかりやすくなるでしょう。さらに、基礎体温を測ることで、妊活の目安にもなります。
卵子は排卵後24時間しか受精できないため、排卵日を予測して24時間以内に精子と出会う必要があります。そのため、基礎体温を測ることで排卵日が予測しやすくなります。基礎体温以外にも排卵日予測検査薬やおりものの増加などの体の変化などをチェックして妊活に役立てましょう。
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